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2022年5月 1日 (日)

18歳になったらネット副業で稼ぎたい


 高3です。今のアルバイトだと稼(かせ)げる金額がどうしても限られるんで,18歳で成人したらバイトだけでなくネット副業もやって,効率的に稼ぎたいと思ってます。調べてみたら,簡単にけっこう稼げそうな副業がいろいろあるみたいですけど,弁護士から見て,やっぱりヤバそうですか?




 はい。ヤバいです。



 「ヤバい」という言葉は,最近では良い意味にも使われることがありますが,

 ここでの答えは,「危ない」という,本来の意味の「ヤバい」です。




 チャットで相談に乗るだけで報酬がもらえる。

 レンタル彼氏/彼女に登録して,申し込みがあれば報酬がもらえる。

 広告動画を見るだけで報酬がもらえる。


 他にもいろいろなネット副業がありますが,


 もし本当なら,ラクにお金が稼げるそういう「仕事」は,とても魅力的ですね。



 でも実態は,お金をもうけるどころか,あなたが損をすることがとても多いのです。



 業者はあなたに,その「仕事」を始めるために必要ですと言って,先にお金を払わせます。

 個人情報の「登録料」や,専用サイトの「利用料」を毎月払わせたり,

 「仕事」の「マニュアル・情報商材」や「システム」を数十万円で買わせたりします。

 そして初めの頃は,あなたに少し報酬が入ってくるようになっていて,

 「このまま続ければもっと稼げる」とあなたを信じさせて,あなたにさらにお金を払わせます。

 でも,結局その後は思ったように報酬は入らず,あなたが業者にお金を払い続けるだけです【★1】




 楽しいもの,嬉しいもの,おいしいもの,ラクなこと。

 そういったことは,お金を払って手に入れます。

 逆に仕事でお金が手に入るのは,つらくて,大変で,しんどいことだからです。



 あなたが今,「稼げるお金が限られている」というアルバイトも,きっと大変だろうと思います。

 あなたがこれから知識や技術や経験を身につけて活かすことで,稼げるお金も増えていきます。

 お金をかせぐというのは,それだけ大変なことなのです。

 そう考えると,

 逆に,努力もせず,知識や技術や経験もなく,「ラクしてお金が手に入る」などというのは,本来ありえない,おかしな話です。


 もちろん,法律的に問題のないネット副業もあることは確かですが,

 それらは,かなり努力をしたり,知識や技術や経験を活かしたりしなければうまくいかないもので,

 「ラクしてお金が手に入る」ものではありません。




 法律的な約束ごとを,契約(けいやく)と言います。


 売り買い【★2】,貸し借り【★3】,雇われて働く【★4】,頼まれた仕事を完成させてお金をもらう【★5】,その他にもいろんな契約がありますが,

 どんな契約も,おたがいそれぞれにとってプラスがあります。

 例えば,物の売り買いなら,

 買い主には「欲しいものが手に入る」というプラスがありますし,

 売り主には「お金が入ってもうかった」というプラスがあります。

 そういう契約がたくさんあることで,私たちの社会は豊かなものになります。



 そして,契約は,お互いにきちんと守らなければいけません。

 いったん結んだ契約も,お互いが納得してナシにすることはもちろんできますが(合意解除と言います),

 お互いの納得ではなく,片方から勝手気ままに約束がナシにされてしまうのが許される社会だと,

 だれも安心して契約できなくなってしまいます。

 なので,いったん結んだ契約を一方的にナシにできるのは,きちんとした理由があるときだけです。

 そして,契約が守られなかったときのために裁判のしくみがあり,私たち弁護士はそういう民事裁判の仕事を多くしています。

 契約は,相手だけでなく自分自身も縛(しば)ってしまうものですから,慎重にしなければいけません。




 ところで,スポーツの試合を思い浮かべてみてください。

 初心者と,プロの選手とでは,あまりに力の差がありすぎて,

 初心者が一方的に負け,プロが一方的に勝つだけですね。

 また,中には,相手がルールをよく知らないことを逆手にとって,わざと反則までして試合に勝とうとする,ひどい競技者もいます。



 社会の中の契約も,それと同じことが言えます。



 複雑な経済のしくみをまだ学んでいる途中の未成年の人が,

 とても力のある業者を相手に契約をしたら,

 自分にはマイナスしかなかった,ということも,じゅうぶんありえます。

 だから,未成年の人の契約は,親や未成年後見人などの親権者(しんけんしゃ)がチェックしてOKすることになっています【★6】【★7】


 さきほど,「契約は守られるもの,契約を一方的にナシにできるのは理由があるときだけ」と言いましたが,

 もし親権者のOKがないまま契約をしてしまったら,

 「親権者のOKがなかった」という理由だけで,契約を一方的に取り消してナシにすることができます【★8】

 18歳で成人するまで契約が自分一人でできず,自由がなくてきゅうくつだと感じてきたかもしれませんが,

 未成年の人は,それだけとても強力なバリアで守られているのです。




 成人すると,自分のことをすべて自分で自由に決められます。

 他方で,未成年のときのような強力なバリアがなく,

 マイナスをかぶってしまうことも,基本的には自己責任です。




 ただ,成人だとまったく無防備になる,というわけではありません。

 成人でも,力が強い相手との契約では,一方的におかしな約束を押しつけられてしまう危険があります。

 たとえば,雇(やと)われて働く人と,雇うがわの職場・会社の関係や【★9】

 住む家の借り手と貸し手(大家さん)の関係【★10】 などが,それです。

 なので,法律は,そういう場面で,働く人や借り手などの弱い立場の人を,特別のルールで守っています。



 そして,業者から物やサービスを買うという場面でも,

 消費者契約法という法律が,弱い立場の消費者を守っています。



 「契約は守られるもの,契約を一方的にナシにできるのは理由があるときだけ」ですが,

 業者に一方的に有利で,消費者に一方的に不利な内容は,その部分が無効(むこう)になります【★11】

 また,業者が反則技を使ってきていたときには,消費者はそれを理由にして,契約じたいを一方的にナシにすることができます。

 たとえば,

 業者にウソを言われた,必ず値上がりすると言われた【★12】

 マイナスの説明がなかった【★13】

 お願いしても店から帰してくれなかった,家から帰ってくれなかった【★14】

 必要以上に多く売られた【★15】

 このままでは就職できないと不安にさせられた【★16】

 悪霊を取り除くのに必要だと言われた【★17】

 好きになった相手から「勤務先の店の宝石を買わないと別れる」と言われた【★18】

 その他にも,契約をナシにできるいろんなケースがあります。




 さらに,消費者と業者との間で特にトラブルが起きやすい契約では,

 特定商取引法という法律が,消費者をよりいっそう強く守っています。



 あなたが今回関心をもったネット副業は,

 難しい言葉で「業務提供誘引(ゆういん)販売取引」というものにあたることが多いです【★19】


 「契約は守られるもの,契約を一方的にナシにできるのは理由があるときだけ」ですが,

 業務提供誘引販売取引は,20日以内なら理由なく無条件で一方的にナシにできる,という強力な武器が消費者にあります【★20】

 これを「クーリング・オフ」と言います。



 業務提供誘引販売取引のほかにも,

 街を歩いていて声をかけられるキャッチセールスや(クーリング・オフ期間は8日間)【★21】

 販売員になった自分が,友だちにも販売員になるように誘うことで紹介料が入るというマルチ商法・ネットワークビジネスなど(クーリング・オフ期間は20日間)【★22】

 特定商取引法は,特にトラブルが起きやすい契約から消費者を守っています。



 クーリング・オフは,「頭を冷やす」という意味です。

 「冷静に考え直して,やっぱり契約をやめたい」と思っても,ふつうの契約では,簡単にナシにできません。

 それが,クーリング・オフならば,無条件で簡単にナシにできます。


 また,クーリング・オフの期間を過ぎてしまったり,クーリング・オフじたいができない契約であっても,

 上に書いた消費者契約法の条件を満たしていれば,それを理由に契約をナシにできます。




 ただ,いろんな方法で契約をナシにできたとしても,いったん業者に払ってしまったお金を取り戻すのは大変です。

 また,悪質な業者のやり方は上に並べたもの以外にもたくさんあって,新しい手口も次々現れています【★23】


 お金についての甘い話は,「ヤバい」と判断して,そもそも近寄らないようにしましょう。

 もしうっかり契約をしてしまったら,一人で抱え込まずに,

 すぐに弁護士や消費者ホットライン「188」(全国共通ダイヤル) に相談してください【★24】




 未成年のときに強力なバリアがあるのも,

 成人すると自分で自由に契約ができるのも,

 力の強い相手に丸め込まれないように守られているのも,

 すべては,法律が一人ひとりを大切にし,だれもが安心した毎日と幸せな人生を送れるようにしているからです。


 成人したあとに自分自身を守っていくためにも,

 法律があなたを守るためにあるということを,
これをきっかけに,ぜひ覚えておいてください。


 


【★1】 独立行政法人国民生活センター「怪しい副業・アルバイトのトラブル-簡単に稼げて高収入?!うまい話には裏がある…-」 https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20210916_1.pdf
【★2】 民法555条 「売買(ばいばい)は,当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約(やく)し,相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって,その効力を生ずる。」
【★3】 民法587条 「消費貸借(しょうひたいしゃく)は,当事者の一方が種類,品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって,その効力を生ずる。」
 民法593条 「使用貸借(しようたいしゃく)は,当事者の一方がある物を引き渡すことを約し,相手方がその受け取った物について無償(むしょう)で使用及び収益(しゅうえき)をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって,その効力を生ずる。」
 民法601条 「賃貸借(ちんたいしゃく)は,当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し,相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって,その効力を生ずる。」
【★4】 民法623条 「雇用(こよう)は,当事者の一方が相手方に対して労働に従事(じゅうじ)することを約し,相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって,その効力を生ずる。」
【★5】 民法632条 「請負(うけおい)は,当事者の一方がある仕事を完成することを約し,相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって,その効力を生ずる。」
【★6】 民法5条1項 「未成年者が法律行為(こうい)をするには,その法定代理人の同意を得なければならない」
【★7】 民法818条1項 「成年に達しない子は,父母の親権に服する。」
 同法820条 「親権を行う者は,子の利益のために子の監護(かんご)及(およ)び教育をする権利を有し,義務を負う。」
 同法857条 「未成年後見人は,第820条から第823条までに規定する事項について,親権を行う者と同一の権利義務を有(ゆう)する。…」
 未成年後見については,「後見人の弁護士がつくってどういうこと?」の記事も見て下さい。
【★8】 民法5条2項 「前項の規定に反する法律行為は,取り消すことができる」
 民法121条 「取り消された行為は,初めから無効であったものとみなす」
【★9】 労働基準法,労働契約法などで,会社などでやとわれて働いている人が保護されています。
【★10】 借地借家法で,アパートや建物,土地の借り手のがわが保護されています。
【★11】 たとえば,業者に責任がある場合でも「損害賠償責任はない」とする条項や,消費者が負う損害金やキャンセル料が高すぎる条項などは,消費者契約法でその部分が無効になります。
 消費者契約法8条1項 「次に掲(かか)げる消費者契約の条項は,無効とする。
 一 事業者の債務不履行(さいむふりこう)により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し,又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
 二 事業者の債務不履行(当該事業者,その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し,又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項
 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し,又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
 四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者,その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除し,又は当該事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項」
 同法9条1項 「次の各号に掲げる消費者契約の条項は,当該各号に定める部分について,無効とする。
 一 当該消費者契約の解除に伴(ともな)う損害賠償の額を予定し,又は違約金を定める条項であって,これらを合算した額が,当該条項において設定された解除の事由,時期等の区分に応じ,当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分」
【★12】 消費者契約法4条1項 「消費者は,事業者が消費者契約の締結(ていけつ)について勧誘をするに際し,当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認(ごにん)をし,それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾(しょうだく)の意思表示をしたときは,これを取り消すことができる。
 一 重要事項について事実と異なることを告(つ)げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
 二 物品,権利,役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し,将来におけるその価額,将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認」
【★13】 消費者契約法4条2項 「消費者は,事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し,当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ,かつ,当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実…を故意(こい)又は重大な過失によって告げなかったことにより,当該事実が存在しないとの誤認をし,それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは,これを取り消すことができる。ただし,当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず,当該消費者がこれを拒(こば)んだときは,この限りでない。」
【★14】 消費者契約法4条3項 「消費者は,事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し,当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑(こんわく)し,それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは,これを取り消すことができる。
 一 当該事業者に対し,当該消費者が,その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず,それらの場所から退去しないこと。
 二 当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず,その場所から当該消費者を退去させないこと。」
【★15】 消費者契約法4条4項 「消費者は,事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し,物品,権利,役務その他の当該消費者契約の目的となるものの分量,回数又は期間…が当該消費者にとっての通常の分量等…を著しく超えるものであることを知っていた場合において,その勧誘により当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは,これを取り消すことができる。事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し,消費者が既に当該消費者契約の目的となるものと同種のものを目的とする消費者契約…を締結し,当該同種契約の目的となるものの分量等と当該消費者契約の目的となるものの分量等とを合算した分量等が当該消費者にとっての通常の分量等を著しく超えるものであることを知っていた場合において,その勧誘により当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときも,同様とする。」
【★16】 消費者契約法4条3項 「消費者は,事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し,当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し,それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは,これを取り消すことができる。
 …(略)… 三 当該消費者が,社会生活上の経験が乏(とぼ)しいことから,次に掲げる事項に対する願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら,その不安をあおり,裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに,物品,権利,役務(えきむ)その他の当該消費者契約の目的となるものが当該願望を実現するために必要である旨を告げること。
 イ 進学,就職,結婚,生計その他の社会生活上の重要な事項」
【★17】 一般的に「霊感商法」と言われます。
 消費者契約法4条3項 「消費者は,事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し,当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し,それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは,これを取り消すことができる。
 …(略)… 六 当該消費者に対し,霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として,そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり,当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。」
【★18】 一般的に「デート商法」と言われます。
 消費者契約法4条3項 「消費者は,事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し,当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し,それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは,これを取り消すことができる。
 …(略)… 四 当該消費者が,社会生活上の経験が乏しいことから,当該消費者契約の締結について勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き,かつ,当該勧誘を行う者も当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら,これに乗じ,当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との関係が破綻(はたん)することになる旨を告げること。」
【★19】 特定商取引に関する法律51条1項 「…『業務提供誘引販売業』とは,物品の販売…又は有償(ゆうしょう)で行う役務の提供…の事業であつて,その販売の目的物たる物品…又はその提供される役務を利用する業務…に従事することにより得られる利益…を収受し得ることをもつて相手方を誘引し,その者と特定負担…を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又はその役務の提供若しくはそのあつせんに係る取引…をするものをいう。」
【★20】 20日間は,契約した日ではなく,業者があなたに法律上決められた書面を文書やメールなどで渡した日からスタートします。例えば,5月1日に書面が届いたとしたら,5月20日までクーリング・オフができます。
 特定商取引に関する法律58条1項 「業務提供誘引販売業を行う者がその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約を締結した場合におけるその業務提供誘引販売契約の相手方…は,第55条第2項の書面を受領した日から起算して20日を経過したとき…を除き,書面によりその業務提供誘引販売契約の解除を行うことができる。この場合において,その業務提供誘引販売業を行う者は,その業務提供誘引販売契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。」
 同法55条2項 「業務提供誘引販売業を行う者は,その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約…を締結した場合において,その業務提供誘引販売契約の相手方がその業務提供誘引販売業に関して提供され,又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人であるときは,遅滞なく,主務省令で定めるところにより,次の事項についてその業務提供誘引販売契約の内容を明らかにする書面をその者に交付しなければならない。
 一 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容に関する事項
 二 商品若しくは提供される役務を利用する業務の提供又はあつせんについての条件に関する事項
 三 当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担に関する事項
 四 当該業務提供誘引販売契約の解除に関する事項(第五十八条第一項から第三項までの規定に関する事項を含む。)
 五 前各号に掲げるもののほか,主務省令で定める事項」
【★21】 キャッチセールスは,訪問販売の一つです。
 特定商取引に関する法律2条1項 「…『訪問販売』とは,次に掲げるものをいう。
 一 販売業者又は役務の提供の事業を営む者…が営業所,代理店その他の主務省令で定める場所…以外の場所において,売買契約の申込みを受け,若しくは売買契約を締結して行う商品若しくは特定権利の販売又は役務を有償で提供する契約…の申込みを受け,若しくは役務提供契約を締結して行う役務の提供
 二 販売業者又は役務提供事業者が,営業所等において,営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者その他政令で定める方法により誘引した者…から売買契約の申込みを受け,若しくは特定顧客と売買契約を締結して行う商品若しくは特定権利の販売又は特定顧客から役務提供契約の申込みを受け,若しくは特定顧客と役務提供契約を締結して行う役務の提供」
 同法9条1項 「販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客から商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合…若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客と商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者…は,書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除…を行うことができる。ただし,申込者等が第5条の書面を受領した日…から起算して8日を経過した場合…においては,この限りでない。」
【★22】 連鎖(れんさ)販売取引と言います。
 特定商取引に関する法律33条1項 「…『連鎖販売業』とは,物品…の販売…又は有償で行う役務の提供…の事業であつて,販売の目的物たる物品…の再販売…,受託販売…若しくは販売のあつせんをする者又は同種役務の提供…若しくはその役務の提供のあつせんをする者を特定利益…を収受し得ることをもつて誘引し,その者と特定負担…を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんに係る取引…をするものをいう。」
 同法40条1項 「連鎖販売業を行う者がその連鎖販売業に係る連鎖販売契約を締結した場合におけるその連鎖販売契約の相手方…は,第37条第2項の書面を受領した日…から起算して20日を経過したとき…を除き,書面によりその連鎖販売契約の解除を行うことができる。この場合において,その連鎖販売業を行う者は,その連鎖販売契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。」
【★23】 「マンガでわかる あなたを狙う消費者トラブル40例」(佐伯利華,北原尚,工藤寛泰,よねまる,弘文堂)が,たくさんの消費者トラブルをとてもわかりやすく説明しています。
【★24】 独立行政法人国民生活センターのサイト https://www.kokusen.go.jp/map/index.html



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