« ネット予約をキャンセルしたのにお金を請求されてる | トップページ | 成人年齢の引下げで少年法はどうなったの? »

2022年3月26日 (土)

「少年のための少年法入門」の本ができました

 少年法はまさしく子どもの法律なのに,子どもたちに向けてわかりやすく書かれた本がない。それなら作ろう。
 ということで,東京弁護士会の子どもの委員会・少年事件部会の牧田史弁護士・西野優花弁護士に加わっていただいて,完成しました。

 「少年のための少年法入門」
 山下敏雅・牧田史・西野優花 監修
 旬報社 1,700円+税

-----------------------------------------------------

人を殺してしまったら、僕は死刑になりますか?
-------僕たちの法律を、僕たちは知るべきだと思う

2022年4月からの「18歳成人」に合わせ、少年法も大きく変わります。
少年事件がセンセーショナルに報道されるたびに注目を集める少年法とは、どんな法律なのか?
知識ゼロからでもわかるよう、ストーリー仕立てにしながら
基本的な考え、しくみ、問題点などをやさしく伝えます。
少年法に関心のある人、そしてなにより当事者(少年)のための入門書です。少年法全文付き

[目次]
第1章 少年法ってなに?

第2章 ストーリーで学ぶ 少年法のしくみ
少年事件の主な流れ
STORY1 保護観察 家に帰りたくない ケイタの場合
STORY2 少年院送致 不良グループの中で コウスケの場合
STORY3 児童自立支援施設等送致 夜の街へ ハルミの場合
STORY4 逆送(検察官送致) 殺すつもりなんかなかった… ケンジの場合

第3章 少年法 Q&A
万引きは犯罪ですか?/いじめは犯罪ですか?/友だちを殴ってケガをさせたら捕まりますか?/
警察に捕まったら家族や友人に知られてしまいますか? 学校は退学ですか?/
小学生も、罪を犯せば刑務所や少年院に入りますか?/犯罪をしたときに、20歳ぎりぎりだとどうなりますか?/
「少年犯罪は年々増加し、凶悪化している」という話を聞きます。本当でしょうか? 他

少年法全文

-----------------------------------------------------

【はじめに】

 自分はたまたま親子関係に恵まれている家庭で暮らせているので,少年犯罪などで「親殺し」とか,他人に対する暴力に関するニュースなどを見ると,じょうだんにせよ,「こいつ死刑だよ,死刑」とか言っていました。今回のこの授業を受けて,自分がいかに恵まれているかを改めて実感して,また,犯罪者として世間から白い目で見られている少年たちにも,普段から感じているさびしさ,悲しさという物があるということを理解しました。
 私が高校で少年事件の授業をしたときに,ある生徒からいただいた感想です。
 テレビやネットは毎日,犯罪のニュースを報じています。その中には,皆さんと同じ世代の子どもが起こした犯罪もあります。しかし,画面を通して見る少年事件が,自分とはどこか違う世界で起きている,遠いできごとのように感じてはいませんか。
 そして,その子がどんな裁判を受け,どんな扱いを受けるのかについて,少年法という法律の存在を聞いたことはあっても,その法律の中身を知っている人はとても少ないのではないでしょうか(そう言う私自身も,少年法をきちんと勉強したのは大学の法学部に入ってからです)。
 犯罪が自分と違う世界で起きているイメージと,法律は難しくてわからないし自分とは関係なさそうというイメージの2つが掛け合わさって,「少年法が甘いから少年犯罪が凶悪化している」という誤ったイメージまでもがあります。さらに,そのイメージに合わせるように,少年法は何度も改正されてきました。
 私はいつも,子どもたちのための法律がどうなっているかが当の子どもたちに知らされていないのを,とても問題だと思っています。大人は子どもにきちんと法律のしくみを伝えるべきですし,子どもの法律を作ったり変えたりする時には,子どもたちの意見をきちんと聞かなければいけないと思っています(それは私だけが考えていることではなく,子どもの権利条約という世界での約束ごとです)。
 私はそういう思いで,2013年に子どもの法律を解説するブログを始め(「どうなってるんだろう?子どもの法律」http://ymlaw.txt-nifty.com),その中で,まさに10代の皆さんのための法律である少年法についての記事も,いくつか書いていました。
 そうしたところ,旬報社の熊谷満さんから,10代の皆さんに読んでもらえる少年法の入門書を作りたいとお声がけいただきました。たしかに,少年法を知りたいと思ったとき,書店や図書館に並んでいるのは,多くが大人向けの難しい本です。そこで,東京弁護士会「子どもの人権と少年法に関する特別委員会」の少年事件部会の牧田史さんと西野優花さんの両弁護士に心強いメンバーとして加わってもらい,議論を重ねて,この本ができました。
 少年法がどういう法律なのか,これからこの本で一緒に見ていきましょう。そして,読み終えたときに,冒頭の生徒のように新しい発見や気づきが得られることと,今後も一緒に社会のあり方を考えていけることを,心から願っています。

 

 2022年1月 山下 敏雅

 

274305079_2446228898843638_6299440646424

« ネット予約をキャンセルしたのにお金を請求されてる | トップページ | 成人年齢の引下げで少年法はどうなったの? »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ネット予約をキャンセルしたのにお金を請求されてる | トップページ | 成人年齢の引下げで少年法はどうなったの? »