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2018年9月 1日 (土)

性的関係もある年上の彼氏を親が訴えると騒いでる

 

 高校2年生です。ネットで知り合った30代の彼氏と1年くらい付き合っていて,エッチもしていました。そのことが最近親にバレて,かんかんに怒っている父親は,彼氏を警察に訴えると言って騒いでいます。前から「自分がまだ18歳になってないからヤバいかな」と思ってはいたけど,今こうやって父親が騒いでいるのは止められないですか。

 

 

 あなたとその彼氏の関係が,

 お互いを人として大切にし合う,しっかりした関係だったなら,

 あなたのお父さんが彼氏を訴えようとするのを,止めることができます。



 都道府県のルールである条例(じょうれい)では,

 18歳になっていない子どもとのあいだで,セックスなど性的なことをしたら,

 犯罪として処罰する,とされています。



 どんなセックスや性的なことをすると,処罰されるのでしょうか。


 多くの条例では,「淫行(いんこう)」,「みだらな性行為(せいこうい)」,「わいせつ行為」という言葉を使っています【★1】【★2】

 わかりづらい言葉ですが,一見,セックスなど性的なことのほとんどすべてがNGのように読めますね。



 でも,たとえ子どもであっても,

 自分がだれとどんな心と体の関係をつくるか/つくらないかについて,

 自分自身で決める自由があります
【★3】【★4】



 刑法という法律(国のルール)では,

 12歳以下の子どもにセックスなど性的なことをすると,

 「強制わいせつ罪」「強制性交等罪」という犯罪になります
【★5】

 たとえその子がセックスなど性的なことにOKしていたとしても,犯罪です。


 13歳以上の人には,

 暴力を使ったり,おどしたり,お酒や薬物を使ったりして
【★6】

 抵抗(ていこう)できない状態でセックスなど性的なことをしたときに,犯罪に問われます。


 逆にいうと,13歳以上なら,

 その人がセックスなど性的なことにOKしていれば,これらの犯罪は成り立ちません。

 この13歳を,「自分で判断できる年齢」という意味で,「性交同意年齢」と言います。


 13歳からというのは,世界的に見て低すぎると言われています。

 「日本は性交同意年齢を引き上げるべきだ」と,世界から指摘されています
【★7】


 13歳という線引きが良いかどうかを別にしても,

 性交同意年齢を超えていれば,未成年であっても,

 セックスなど性的なことを自分自身で決めることが,法律では重視されています。



 民法という法律(国のルール)では,

 女性は,16歳以上なら,結婚ができます
【★8】

 それなのに,18歳になっていないからという理由で,パートナーと性的な関係を持つことが条例で禁止されるのでは,ちぐはぐです。

 (なお,2022年には,女性が結婚できる年齢は18歳以上に変わります)。




 子どもにも,だれとどんな心と体の関係をつくるか/つくらないかについての自由があること,

 刑法が13歳を性交同意年齢としていて,

 民法が16歳以上の女性が結婚できるとしていること,

 それらからすると,

 18歳になっていない子どもとの間のセックスなど性的なことを,

 条例がすべて犯罪にするのは,規制のしすぎです。




 他方で,

 10代は,心と体が大人の仲間入りをしたばかりの,とてもだいじな時期です。

 あなたの心と体は,これから死ぬまでの何十年という間,あなた自身がずっと付き合い続けていくものです。

 だから,最初のころは,

 大人の仲間入りを始めたばかりの自分の心と体との付き合い方を,

 じっくりと身につけていってほしいと願っています。


 「性」というのは,セックスのことだけではありません。

 自分の心と体を大切にし,そして,相手の心と体を大切にすること。

 それが,ほんとうの意味の「性」です。



 でも,大人の中には,

 心と体が大人の仲間入りを始めたばかりの大事な時期にある10代を,

 ひとりの人間として大切に扱わず,まるで物や人形のように扱う人がいます。

 私たちは,そういう大人から子どもたちを守りたいと,強く思っています。




 条例の「淫行」の意味が争われた事件で,最高裁は,こう言っています。


 「淫行」は,子どもとのセックスなど性的なことすべてをさすのではない。

 子どもを,さそいこんだり,おどしたり,だましたり,とまどわせたりして,

 心や体がまだ成長を続けている途中であることにつけいった不当なやり方や,

 子どもを単に自分の性欲を満足させるための対象(たいしょう)として扱っているとしかいえないようなものを,

 子どもを守るために,「淫行」として処罰するのだ,と
【★9】



 セックスなど性的なことは,もともと「自分の性欲を満足させるため」にするものなのだから,

 最高裁が言っているのは,結局,セックスなど性的なことすべてを指しているのと変わりないじゃないか,という批判もあります
【★10】


 でも,私はそう思いません。


 最高裁が言っているのは,子どもを「対象」として扱うことがダメなのだ,ということです
【★11】

 相手をまるで物や人形のように扱うのではなく,

 ひとりの人間として大切に扱っているか,

 お互いがお互いをきちんと尊重しているか,ということが,だいじなのです。



 あなたが,その30代の彼氏との間で,お互いを人として大切にし合うしっかりした関係だったかどうかを,振り返ってみてください。



 周りの人たちは,こういうふうに言うでしょう。 


 「知識や経験,そしてお金の面でも差があるのだから,

 心と体が大人の仲間入りを始めたばかりのあなたのことを,

 30代の彼氏は,ゆっくりと見守り,性的な関係を持たずに待つ,ということも必要だったのではないか。」



 そういう意見をふまえてしっかり振り返ってみても,

 「彼氏との間で,お互いを人として大切にし合っていた」と,あなた自身が実感できているのであれば,

 それを,お父さんにきちんと伝えてください。


 もしお父さんが聞き入れてくれなくても,

 あなたが警察にありのままを話したり,

 警察に話すこと自体を拒否(きょひ)したりすれば,

 警察が彼氏を立件(りっけん)することは,難しいでしょう。




 刑法が性交同意年齢を13歳にしているのにもかかわらず,

 この社会は,

 子どもが13歳になる前に,性についてきちんと教えていません。


 条例で18歳までの子どもを守ろうとしているのにもかかわらず,

 この社会は,

 相手の大人を処罰することには一生懸命でも,

 主人公であるはずの子どもたちに,きちんと向き合って性を教えようとせず,ほったらかしにしています。


 これは,まったくおかしなことです。



 お父さんは,あなたを守ろうとして,彼氏を警察に訴えようとしているのですよね。

 でも,あなたを守るためにお父さんが本当にしなければならないことは,

 自分の心と体を大切にし,相手の心と体を大切にするということがどういうことなのか,

 セックスという限られたことだけでなく,広く「性」について,

 ふだんからきちんと親子で話し合うことです。

 東京都や長野県の条例では,その話し合いの大切さにも,きちんと触れています【★12】【★13】



 あなたの彼氏が処罰されないように,というだけでなく,

 あなたがこれから先ずっと,自分と相手の心と体を大切にできる素敵な人になれるように,

 今までの彼氏との関係について振り返り,お父さんとよく話し合ってみてください。

 その話し合いがうまくいかないようであれば,私たち弁護士がサポートします。

 

 

【★1】 「淫行」または「いん行」という言葉を使っている条例:北海道青少年健全育成条例38条,青森県青少年健全育成条例22条,栃木県青少年健全育成条例42条,静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例14条の2,愛知県青少年保護育成条例14条,滋賀県青少年の健全育成に関する条例24条,和歌山県青少年健全育成条例26条,岡山県青少年健全育成条例20条,広島県青少年健全育成条例39条,徳島県青少年健全育成条例14条,香川県青少年保護育成条例16条,福岡県青少年健全育成条例31条,(大分県)青少年の健全な育成に関する条例37条,鹿児島県青少年保護育成条例22条
 「淫らな性行為」または「みだらな性行為」という言葉を使っている条例:(岩手県)青少年のための環境浄化に関する条例18条,(宮城県)青少年健全育成条例31条,秋田県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例14条,山形県青少年健全育成条例13条,福島県青少年健全育成条例24条,茨城県青少年の健全育成等に関する条例35条,群馬県青少年健全育成条例35条,埼玉県青少年健全育成条例19条,神奈川県青少年保護育成条例31条,新潟県青少年健全育成条例20条,富山県青少年健全育成条例15条,いしかわ子ども総合条例52条,福井県青少年愛護条例35条,(山梨県)青少年保護育成のための環境浄化に関する条例12条,岐阜県青少年健全育成条例23条,(兵庫県)青少年愛護条例21条,奈良県青少年の健全育成に関する条例34条,鳥取県青少年健全育成条例18条,島根県青少年の健全な育成に関する条例21条,高知県青少年保護育成条例18条,佐賀県青少年健全育成条例22条,長崎県少年保護育成条例16条,熊本県少年保護育成条例13条,宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例19条,沖縄県青少年保護育成条例17条の2
 「わいせつな行為」,「わいせつ行為」,または「猥せつの行為」という言葉を使っている条例:北海道青少年健全育成条例38条,青森県青少年健全育成条例22条,(岩手県)青少年のための環境浄化に関する条例18条,(宮城県)青少年健全育成条例31条,秋田県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例14条,山形県青少年健全育成条例13条,福島県青少年健全育成条例24条,茨城県青少年の健全育成等に関する条例35条,栃木県青少年健全育成条例,群馬県青少年健全育成条例35条,埼玉県青少年健全育成条例19条,神奈川県青少年保護育成条例31条,新潟県青少年健全育成条例20条,富山県青少年健全育成条例15条,いしかわ子ども総合条例52条,福井県青少年愛護条例35条,(山梨県)青少年保護育成のための環境浄化に関する条例12条,岐阜県青少年健全育成条例23条,静岡県青少年のための良好な環境整備に関する条例14条の2,愛知県青少年保護育成条例14条,滋賀県青少年の健全育成に関する条例24条,(兵庫県)青少年愛護条例21条,奈良県青少年の健全育成に関する条例34条,和歌山県青少年健全育成条例26条,鳥取県青少年健全育成条例18条,島根県青少年の健全な育成に関する条例21条,岡山県青少年健全育成条例20条,広島県青少年健全育成条例39条,徳島県青少年健全育成条例14条,香川県青少年保護育成条例16条,愛媛県青少年保護条例9条の2,高知県青少年保護育成条例18条,福岡県青少年健全育成条例31条,佐賀県青少年健全育成条例22条,長崎県少年保護育成条例16条,熊本県少年保護育成条例13条,(大分県)青少年の健全な育成に関する条例37条,宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例19条,鹿児島県青少年保護育成条例22条,沖縄県青少年保護育成条例17条の2
 「みだらな性交又は性交類似行為」という言葉を使っている条例:東京都青少年の健全な育成に関する条例18条の6
 「不純な性行為」という言葉を使っている条例:愛媛県青少年保護条例9条の2
【★2】 条例によっては,条件が付いていたり,くわしく定義が書かれているものもあります。
 千葉県青少年健全育成条例20条1項 「何人(なんぴと)も,青少年に対し,威迫(いはく)し,欺(あざむ)き,又は困惑(こんわく)させる等青少年の心身の未成熟に乗じた不当な手段によるほか単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められない性行為又はわいせつな行為をしてはならない」
 長野県子どもを性被害から守るための条例17条1項 「何人も,子どもに対し,威迫し,欺き若しくは困惑させ,又はその困惑に乗じて,性行為又はわいせつな行為を行ってはならない」
 三重県青少年健全育成条例23条1項 「何人も,青少年に対し,いん行(青少年を威迫し,欺き,又は困惑させる等不当な手段を用いて行う性交又は性交類似行為及び青少年を単に自己の性欲を満足させるための対象として行う性交又は性交類似行為をいう。次条において同じ。)又はわいせつな行為(いたずらに性欲を興奮させ,若しくは刺激し,又は性的な言動により性的羞恥心(しゅうちしん)を害し,若(も)しくは嫌悪(けんお)の情(じょう)を催(もよお)させる行為をいう。次条において同じ。)をしてはならない」
 (京都府)青少年の健全な育成に関する条例21条1項 「何人も,青少年に対し,金品その他財産上利益若しくは職務を供与(きょうよ)し,若しくはそれらの供与を約束することにより,又は精神的知未熟若しくは情緒的不安定に乗じて,淫行又はわいせつ行為をしてはならない」
 大阪府青少年健全育成条例39条 「何人も,次に掲げる行為を行ってはならない。
(1)青少年に金品その他の財産上の利益,役務(えきむ)若しくは職務を供与し,又はこれらを供与する約束で,当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと(児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)第2条第2項に該当するものを除く。)
(2)専(もっぱ)ら性的欲望を満足させる目的で,青少年を威迫し,欺き,又は困惑させて,当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。
(3)性行為又はわいせつな行為を行うことの周旋(しゅうせん)を受け,青少年に対し当該周旋に係る性行為又はわいせつな行為を行うこと。
(4)青少年に売春若しくは刑罰法令に触れる行為を行わせる目的又は青少年にこれらの行為を行わせるおそれのある者に引き渡す目的で,当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと」
 山口県青少年健全育成条例12条 「何人も,青少年に対し,次に掲げる行為をしてはならない。
一 金品その他の財産上の利益を供与し,若しくは役務を提供し,又はこれらの供与若しくは提供を約束して性行為又はわいせつの行為をすること。
二 相手方を欺き,若しくは困惑させ,又はその困惑に乗じて性行為又はわいせつの行為をすること。
三 あっせんを受けて性行為又はわいせつの行為をすること。」
【★3】 自己決定権と言います。憲法13条が保障する人格権(人格権)から導かれます。
 憲法13条 「すべて国民は,個人として尊重される。生命,自由及(およ)び幸福追求(ついきゅう)に対する国民の権利については,公共の福祉(ふくし)に反(はん)しない限(かぎ)り,立法その他の国政の上で,最大の尊重を必要とする」
【★4】 最高裁大法廷昭和60年10月23日判決・刑集39巻6号413頁(福岡県青少年保護育成条例違反事件)谷口正孝裁判官反対意見 「本条例にいう青少年のうち年長者(例えば,16歳以上の者。便宜(べんぎ)これを『年長青少年』という)に対する性交又は性交類似行為については年少少年に対する場合と同一に扱うわけにはいかない。身体の発育が向上し,性的知見においてもかなりの程度に達しているこれら現代の年長青少年に対する両者の自由意思に基づく性的行為の一切(いっさい)を罰則を以(もっ)て一律に禁止するが如(ごと)きは,まさに公権力を以てこれらの者の性的自由に対し不当な干渉(かんしょう)を加えるものであり,とうてい適正な処罰規定というわけにはいかないであろう」
【★5】 刑法176条 「13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役(ちょうえき)に処する。13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする」
 同法177条 「13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔(こうくう)性交(以下「性交等」という。)をした者は,強制性交等の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し,性交等をした者も,同様とする」
【★6】 刑法178条1項 「人の心神喪失(しんしんそうしつ)若しくは抗拒不能(こうきょふのう)に乗じ,又は心神を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,わいせつな行為をした者は,第176条の例による」
 同条2項 「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心神を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,性交等をした者は,前条の例による」
【★7】 国連・児童の権利委員会の最終見解:日本 2004年2月26日 CRC/C/15/Add.231(最終見解/コメント)https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/0402/pdfs/0402_j.pdf
パラグラフ22 「委員会は,婚姻最低年齢が少年(18歳)と少女(16歳)とで異なること及び性交同意最低年齢(13歳)が低いことについて懸念する」
 パラグラフ23 「委員会は,締約国が,(a)少女の婚姻最低年齢を少年の最低年齢にまで引き上げること,(b)性交同意最低年齢を引き上げること,を勧告する」
【★8】 民法731条 「男は,18歳に,女は,16歳にならなければ,婚姻(こんいん)をすることができない」
【★9】 最高裁大法廷昭和60年10月23日判決・刑集39巻6号413頁(福岡県青少年保護育成条例違反事件) 「本件各規定…の趣旨は,一般に青少年が,その心身の未成熟や発育程度の不均衡(ふきんこう)から,精神的に未(いま)だ十分に安定していないため,性行為等によって精神的な痛手を受け易(やす)く,また,その痛手からの回復が困難となりがちである等の事情にかんがみ,青少年の健全な育成を図るため,青少年を対象としてなされる性行為等のうち,その育成を阻害(そがい)するおそれのあるものとして社会通念上非難を受けるべき性質のものを禁止することとしたものであることが明らかであって,右のような本件各規定の趣旨及びその文理等に徴(ちょう)すると,本条例10条1項の規定にいう『淫行』とは,広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく,青少年を誘惑し,威迫(いはく)し,欺罔(ぎもう)し又は困惑(こんわく)させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか,青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である」
【★10】 最高裁大法廷昭和60年10月23日判決・刑集39巻6号413頁(福岡県青少年保護育成条例違反事件)伊藤正己裁判官反対意見 「性行為そのものは,自己の性欲を満足させるために行われるのが通常であるから,それはほとんど限定の作用をいとなまず,結婚を前提としない青少年を相手方とする性行為のすべてを包含(ほうがん)することに近いと考えられ,適当と考えられる限定とはいえないであろう」
【★11】 児童福祉法という法律でも,18歳未満の児童に「淫行させる行為」が処罰の対象となっていて,条例よりも重い刑罰があります。親族や教師など,子どもに影響力のある大人によるセックスなど性的なことが罰せられます。
 児童福祉法34条1項 「何人も,次に掲げる行為をしてはならない。 … 六 児童に淫行をさせる行為」
 同法60条1項 「第34条第1項第六号の規定に違反した者は,10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する」
 最高裁判所第一小法廷平成28年6月21日決定・刑集70巻5号369頁 「児童福祉法34条1項6号にいう『淫行』とは,同法の趣旨(同法1条1項)に照らし,児童の心身の健全な育成を阻害(そがい)するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為をいうと解するのが相当であり,児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為は、同号にいう『淫行』に含まれる。そして,同号にいう『させる行為』とは,直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をいうが(最高裁昭和39年(あ)第2816号同40年4月30日第二小法廷決定・裁判集刑事155号595頁参照),そのような行為に当たるか否(いな)かは,行為者と児童の関係,助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度,淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯,児童の年齢,その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断するのが相当である」
【★12】 東京都青少年の健全な育成に関する条例18条の3第1項 「保護者及び青少年の育成にかかわる者(以下「保護者等」という。)は,異性との交友が相互の豊かな人格のかん養に資(し)することを伝えるため並びに青少年が男女の性の特性に配慮し,安易な性行動により,自己及び他人の尊厳を傷つけ,若しくは心身の健康を損ね,調和の取れた人間形成が阻害され,又は自ら対処できない責任を負うことのないよう,慎重な行動をとることを促すため,青少年に対する啓発及び教育に努めるとともに,これらに反する社会的風潮を改めるように努めなければならない」
 同条2項 「保護者等は,青少年のうち特に心身の変化が著しく,かつ,人格が形成途上である者に対しては,性行動について特に慎重であるよう配慮を促すように努めなければならない」
 同条3項 「保護者は,青少年の性的関心の高まり,心身の変化等に十分な注意を払うとともに,青少年と性に関する対話を深めるように努めなければならない」
【★13】 長野県子どもを性被害から守るための条例6条 「保護者は,その監護する子どもを守る第一義的責任を有することを認識し,子どもを性被害から守るために必要な教育並びに子どもが性被害を受けたときの保護及び支援を行うよう努めるものとする」
 

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