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2016年4月 1日 (金)

正社員ってどういう働き方?

 

 これから就職活動して,卒業後に働き始めるつもりなんですが,「正社員」ってどういうものか,他の働き方とどうちがうのか,いまいちよくわかりません。

 

 

 じつは,「正社員」という言葉は,法律にはありません。

 私が今から説明するのは,「多くの人がだいたいそう考えている」というものです。

 「正社員は必ずこういうもの」というわけではないので,気をつけてください。




 正社員は,「会社に直接雇(やと)われて,定年までずっと,フルタイムで働く人」のことです【★1】




 正社員は,フルタイムで働きます。



 フルタイムというのは,「1日中しっかり,毎日しっかり」,ということです。

 労働基準法は,働く時間は1日8時間/1週間40時間を超えないのが基本と決めています
【★2】

 正社員は,その1日8時間/1週間40時間か,それよりやや少ない時間で,めいいっぱい働きます
【★3】【★4】


 正社員とちがい,アルバイトやパートは,1日数時間/1週間に数日という働き方が多いです【★5】


 そういうちがいから,給料の払われ方も,

 正社員は「1ヶ月にいくら」という月給,アルバイトやパートは「1時間あたりいくら」という時間給が多いです。





 正社員は,定年までずっと働きます。



 正社員は,就職してから定年までのあいだ,よっぽどのことがないかぎり,クビになることはありません【★6】【★7】

 定年の年齢は,会社ごとにちがいますが,

 60歳や65歳を定年にしている会社が多いです
【★8】


 アルバイトやパートは,働く期間が何ヶ月と決まっていることが多いです。


 「フルタイムで働くけれど,期間が何ヶ月/何年と決まっている」,という働き方もあります【★9】

 それを,正社員と区別して,「契約社員」と言ったりします
【★10】


 アルバイトやパート,契約社員は,あらかじめ決めていた期間だけ働くのが基本ですが,

 期間が終わるとき,働く人も会社もお互いがOKすれば,更新(こうしん)して,引き続き働くことができます。

 でも,いつ更新されなくなるかわかりませんし,

 そんなに長い期間は働けないことがほとんどです。





 正社員は,会社に直接雇(やと)われ,給料も会社から直接もらいます。



 正社員とちがい,「ハケン(派遣)社員」は,会社に直接雇われていません。

 ハケン業者に雇われます。

 そして,会社に行かされて(ハケンされて),仕事をします。

 会社は,ハケン業者にお金を払います。

 そして,ハケン業者が,働く人に給料を払います
【★11】


 会社が払ったお金を,働いた人が全部受け取るのではなく,ハケン業者の取り分が抜かれます。

 働く人の安全を守る責任を,ハケン業者と会社がそれぞれどう負うのかも,あいまいになりがちです。

 だから,ハケンは,30年前まで禁止されていました
【★12】

 その後も,特殊(とくしゅ)な仕事にかぎって認められていました
【★13】

 ところが最近は,このハケンのしくみが,いろんな職場に広がってしまっています
【★14】




 正社員は,

 生活するのにじゅうぶんな給料をもらい,

 長く働く中で,仕事の能力を高めていくこともできます。

 よっぽどのことがなければ,クビになることはありませんし,

 ケガ,病気,老後,自分の家族などに対するサポートも充実しています
【★15】


 しかし,雇う側(がわ)からすると,

 会社の調子が良いときには,人をたくさん雇いたいけれど,

 会社の調子が悪くなったからといって,正社員をやめさせることは,かんたんにはできません。



 だから,

 アルバイトやパートのように短い時間・安い給料で働く人や,

 契約社員のように期限が決まっている人,

 ハケン社員のように会社が自分で直接雇うのではない人,

 そういう人たちを使うことで,会社の都合に合わせて,人件費(じんけんひ)を調整しようと考えるのです。



 でも,人は,モノや,人形や,ロボットではありません。

 「いらなくなったら,すぐに捨てたり,ほかと交換したりする」,

 働く人をそうやって扱うのは,してはならないことです。



 「正社員以外のいろんな働き方を選べるのは,働く側にとっても良いことだ」,などと言う人もいます。

 でも,「ほんとうは正社員として働きたいのに,働く先がないので,しかたなくそれ以外の働き方をしている」,

 そういう人が,今,315万人もいるのです
【★16】



 生活するのにじゅうぶんな給料をもらえない。

 仕事の能力を高めていくこともむずかしい。

 いつ更新されなくなって仕事を失うか,とても不安。

 そういう働き方をしなければならない人が,とても増えています。



 法律は,いろんな会社がいろんな商売をするためのベースとなる決まりを,たくさん作っています。

 そういう法律がたくさんあるのは,

 いろんな会社が活動し,社会全体が発展していくことが,

 私たち一人ひとりの幸せな暮らしにつながるからです。

 それなのに,会社の中で働いている人が大切にされないのでは,まったくおかしなことです。



 正社員ではない働き方をする人を守るための,特別な法律は,あるにはあるのですが,あまり役立っているとはいえません【★17~19】



 ただ,正社員であれば問題ないかというと,そうともかぎりません。

 ノルマが厳しい,残業時間が長い,残業代が払われない,嫌がらせがひどい,など,

 正社員を大切に扱わないひどい会社があるのも,また事実です。


 そのようなひどい会社なら,ある程度で見切りをつけて辞めることもだいじですし,

 労働組合に入ってみんなで職場と交渉をしたり,裁判でたたかったりして,よりよい職場に変えていくことも,

 会社を辞めるのと同じくらい,あるいはそれ以上に,だいじなことです。



 あなたはこれから,就職活動を通して,いろんな職場に出会うことと思います。

 働くルールについて,少しでも分からないことがあったら,

 ぜひ,今回のように尋ねたり,調べたりするようにしてください。

 それが,これから長い人生の中で働くあなた自身を守ることにつながりますし,

 あなたがいつか誰かを雇う立場になったときにも,絶対に必要となることです。

 

 

【★1】 菅野和夫「労働法第11版」291頁 「大多数の企業においては,契約の形態や内容上,通常(正規)の雇用関係にある従業員(正社員,正規従業員,正規雇用者などと呼ばれる)とは区別された労働者が,様々な呼称・契約形態において存在してきた。パート社員,アルバイト,契約社員,期間社員,定勤社員,嘱託(しょくたく),派遣社員,下請(したうけ)社員,等々であり,社会的に『非正規労働者』などと総称されてきた。正規雇用者は,当該(とうがい)企業との期間の定(さだ)めのない労働契約のもとで,長期的に育成され,企業内で職業能力とキャリアを発展させ,処遇(しょぐう)もそれに応じて向上するのが通例である。また,大企業・中堅(ちゅうけん)企業の多くでは,正規雇用者の解雇(かいこ)は,通例,その者の重大な非行や企業経営上の危機がないかぎり行われない」
【★2】 労働基準法32条1項 「使用者は,労働者に,休憩時間を除(のぞ)き1週間について40時間を超えて,労働させてはならない」
 同条2項 「使用者は,1週間の各日(かくじつ)については,労働者に,休憩時間を除き1日について8時間を超えて,労働させてはならない」
【★3】 何時から何時まで働くか,休日をいつにするかは,会社ごとに「就業規則(しゅうぎょうきそく)」というルールを作って決めます。
 労働基準法89条 「常時10人以上の労働者を使用する使用者は,次に掲(かか)げる事項について就業規則を作成し,行政官庁に届け出なければならない… 一 始業及び終業の時刻,休憩時間,休日,休暇… (以下略)」
【★4】 それ以上働く「残業」は,あらかじめ,職場と働く人たちとの間で,どういう時にどのくらいまでできるか,ということ約束した「36協定(さぶろくきょうてい)」を作って,労働基準監督署に届ければ,その範囲で認められます。その残業代として,割増賃金が払われます。
 労働基準法36条1項 「使用者は,当該事業場に,労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合,労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし,これを行政官庁に届け出た場合においては,…その協定で定めるところによって労働時間を延長し,又は休日に労働させることができる。…」
 同法37条1項 「使用者が,…前条第1項の規定により労働時間を延長し,又は休日に労働させた場合においては,その時間又はその日の労働については,通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし,当該延長して労働させた時間が1箇月について60時間を超えた場合においては,その超えた時間の労働については,通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」
 「2割5分」というのは,25%のことです。
【★5】 ただし,1日数時間/1週間数日の正社員もありますし,逆に,フルタイムで働くアルバイトやパートもあります。
【★6】 「期間の定めのない雇用契約」と言います。
 会社をやめるときには,働く人・職場のお互いが納得して辞める「合意退職」がふつうですが,会社が「辞めないでほしい」と言っていても,働くがわは一方的に辞めることができます。逆に,あなたが「働き続けたい」と思っているのに,会社が一方的にクビにする「解雇(かいこ)」は,よっぽどのことがなければできないことになっています。
 民法627条1項 「当事者が雇用(こよう)の期間を定(さだ)めなかったときは,各当事者は,いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において,雇用は,解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」
 労働契約法16条 「解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用(らんよう)したものとして,無効とする」
 前半の「客観的に合理的な理由」は,たとえば,働かない・働けないとか,その仕事にふさわしい能力がないとか,職場のルール違反をするとか,会社の経営が苦しい,ということなどです。また,後半の「社会通念上相当」は,解雇しないといけない理由が重大で,解雇する以外の方法もなく,解雇されるがわにも救うような事情がない,というようなことを指します(菅野和夫「労働法第11版」738頁参照)。
【★7】 菅野和夫「労働法第11版」708頁 「『定年制』とは,労働者が一定の年齢に達したときに労働契約が終了する制度をいう。『定年制』は定年到達前の退職や解雇が格別制限されない点で労働契約の期間の定めとは異なる。結局,労働契約の終了事由に関する特殊の定め(約定)と解するほかない」
【★8】 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律8条 「事業主がその雇用する労働者の定年…の定めをする場合には,当該定年は,60歳を下回ることができない…」
 同法9条1項 「定年…の定めをしている事業主は,その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため,次の各号に掲げる措置…のいずれかを講じなければならない。 一 当該定年の引上げ 二 継続雇用制度…の導入 三 当該定年の定めの廃止」
【★9】 労働基準法14条1項 「労働契約は,期間の定めのないものを除き,一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは,3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては,5年)を超える期間について締結(ていけつ)してはならない。 一 専門的な知識,技術又は経験…であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約 二 満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。)」
【★10】 法律の言葉では,「期限の定めのある雇用契約」という言い方になります。「契約」というのは,法律的な約束ごとという意味です。正社員だって,アルバイトやパートだって,ハケン社員だって,すべて「雇用契約」「労働契約」なのですから,ここだけ「契約社員」という表現を使うのは,本来はおかしなことです。
 民法623条 「雇用は,当事者の一方が相手方に対して労働に従事(じゅうじ)することを約し,相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって,その効力を生(しょう)ずる」
 労働契約法6条 「労働契約は,労働者が使用者に使用されて労働し,使用者がこれに対して賃金を支払うことについて,労働者及び使用者が合意することによって成立する」
【★11】 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律2条 「この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。 一 労働者派遣 自己の雇用する労働者を,当該雇用関係の下に,かつ,他人の指揮命令を受けて,当該他人のために労働に従事させることをいい,当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする」
【★12】 菅野和夫「労働法第11版」69頁 「戦前においては,自己の支配下にある労働者を鉱山,土木建築,港湾荷役などの労働現場に供給し労務に従事させる人夫供給業(労務供給業)が行われてきた。これらの『労働者供給事業』は,労働者を継続的に支配下に置いて他人に使用させる点で,労働の強制,中間搾取(さくしゅ),使用者責任の不明確化などの弊害(へいがい)を伴(ともな)いがちであるとして,戦後の職安法では全面的に禁止され,労働組合法による労働組合またはこれに準ずるものが厚生労働大臣の許可を受けた場合のみ無料の事業を行いうることとされた」「1985年の労働者派遣法の制定とそれに伴う職安法の改正によって,以後は,…『労働者派遣』が『労働者供給』の適用範囲から除外されることとなった」
 職業安定法44条 「何人(なんぴと)も,次条に規定する場合を除くほか,労働者供給事業を行い,又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない」
 同法4条6項 「この法律において『労働者供給』とは,供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい,労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律…第2条第一号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとする」
【★13】 1985年に労働者派遣法ができたときは16の業務,その後1996年に26業務に拡大されました。
【★14】 1999年と2003年の労働者派遣法改正で,一部の業務を除いてすべて派遣ができるようになりました。特に,2003年の改正では,製造業での派遣が認められるようになって,一気に増加しました。そして,2008年にリーマンショックが起き,派遣で製造業で働いていた多くの人たちが仕事を失って,とても大きな社会問題になりました。
【★15】 「正社員は社会保険に入る」,という話を聞いたことがあると思います。
 一般的には,健康保険と厚生年金の2つを合わせて,「社会保険」と言っています。
 ケガや病気をしたときに,病院に保険証を出すと,払うお金が3割だけですみますね。これが健康保険のしくみです。健康保険のほうが,7割を出してくれます。また,定年になって働くのをやめたあとは,年金をもらって生活することができます。これが厚生年金のしくみです。こういった,ケガや病気,老後などに備えて,毎月保険料を払います(給料から自動的に引かれます)。
 正社員ではない人,自営で仕事をしている人などにも,似たようなものとして,市役所や区役所で手続をする,国民健康保険と国民年金というしくみがあります。
 社会保険(健康保険・厚生年金)は,保険料を,働く人と会社の両方で払うので,国民健康保険や国民年金よりも,サポートが厚くなっています。
 健康保険は,扶養家族が何人いても保険料が同じですが,国民健康保険は家族が増えれば保険料も増えます。健康保険は,仕事以外の原因で病気やケガをして休むと「傷病手当」がもらえますが,国民健康保険ではもらえません。
 厚生年金は,国民年金にプラスして支給されるものですから,年金の額は高くなります。また,働いている人が亡くなったあと,遺族に支給される年金も,厚生年金のほうがサポートがしっかりしています。
 正社員は,この社会保険に加入するのが原則ですが,ごく例外的に加入させなくてもよい場合があります。アルバイトやパートは,フルタイムで働かないので,この社会保険に入っていないことが多いですが,労働時間が正社員のおおむね4分の3以上であれば,社会保険に加入できます(職場は加入させなければいけません)。
 契約社員やハケン社員は,2ヶ月以上継続して働いているなら,労働時間が短いのでない限り,社会保険に加入できる(職場が加入させなければいけない)ことがほとんどでしょう。
 厚生労働省「人を雇うときのルール」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/koyou_rule.html
 日本年金機構「厚生年金保険<健康保険(協会けんぽ)>について/適用事業所と被保険者」
http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/jigyosho/20150518.html
【★16】 総務省「労働力調査(詳細集計)」(平成27年平均) 表4 現職の雇用形態についた主な理由別非正規の職員・従業員の内訳(2015年)
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/ndtindex.pdf
【★17】 アルバイトやパートでも,「通常労働者と同視」される人は,賃金や教育訓練,福利厚生などについて,正社員との間の処遇差別が禁止されます。「通常労働者と同視」されないアルバイトやパートについては,正社員とバランスのとれた処遇をするよう,使用者が努力・配慮しないといけないのですが,強いしばりではないという限界があります。
 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律9条 「事業主は,職務の内容が当該事業所に雇用される通常の労働者と同一の短時間労働者…であって,当該事業所における慣行その他の事情からみて,当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において,その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるもの…については,短時間労働者であることを理由として,賃金の決定,教育訓練の実施,福利厚生施設の利用その他の待遇について,差別的取扱いをしてはならない」
 同法10条 「事業主は,通常の労働者との均衡を考慮しつつ,その雇用する短時間労働者…の職務の内容,職務の成果,意欲,能力又は経験等を勘案し,その賃金…を決定するように努めるものとする」
 同法11条2項 「事業主は,…通常の労働者との均衡(きんこう)を考慮しつつ,その雇用する短時間労働者の職務の内容,職務の成果,意欲,能力及び経験等に応じ,当該短時間労働者に対して教育訓練を実施するように努めるものとする」
 同法12条 「事業主は,通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって,健康の保持又は業務の円滑(えんかつ)な遂行(すいこう)に資(し)するものとして厚生労働省令で定めるものについては,その雇用する短時間労働者に対しても,利用の機会を与えるように配慮しなければならない」
【★18】 契約社員でも,更新がくり返されていたら,突然更新をしないでクビにすることはできなくなりますし(雇止め(やといどめ)制限法理),5年以上更新が続いたら,その後はずっと働き続けられる(正社員のように,期限の定めのない雇用契約になる)ことになります(無期転換申込権)。しかし,この規制にかからないように,会社は,更新を繰り返さないようにしたり,5年以上更新しないようにしたりして,結局,働く人が守られないことが起きています。
 労働契約法19条 「有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞(ちたい)なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって,使用者が当該申込みを拒絶(きょぜつ)することが,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないときは,使用者は,従前(じゅうぜん)の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾(しょうだく)したものとみなす。
 一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって,その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが,期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
 二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること」
 同法18条1項 「同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約…の契約期間を通算した期間…が5年を超える労働者が,当該使用者に対し,現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に,当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは,使用者は当該申込みを承諾(しょうだく)したものとみなす。この場合において,当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は,現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件…とする」
【★19】 ハケン社員が,3年以上その職場で働き続けていたら,その職場の正社員になれます。しかし,この規制にかからないように,会社は3年以上ハケンを受け入れないようにして,結局,働く人が守られないことが起きています。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律40条の6 「労働者派遣の役務の提供を受ける者…が次の各号のいずれかに該当する行為を行った場合には,その時点において,当該労働者派遣の役務の提供を受ける者から当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し,その時点における当該派遣労働者に係る労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす。…
 四 第40条の3の規定に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること (以下略)」
 同法40条の3 「派遣先は,…当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について,派遣元事業主から3年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣…の役務の提供を受けてはならない」

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